

INTERVIEW
良い建物とは、関わる人の
想いを集めて創り上げるもの。
高校時代から建築に興味があった稲川は、建築系の学部に進学して都市計画を学んだ。就活でデベロッパー各社を検討するなかで、マンションからオフィスビルまで幅広い物件を扱い、比較的中規模の開発を強みとする大成有楽不動産に着目。若手が裁量を持ってプロジェクト全体を動かせる環境があり、ここなら成長できると思えた。また、面談では先輩社員が親身に接してくれる姿勢が印象に残り、自分の仕事について誇りを持って語る姿にも心を動かされた。
T. Inagawa
入社後の歩み
建築部に配属となった後は、大成有楽不動産の建設工事を専門知識に基づいて監理していく業務に取り組んだ。まずはOJTでさまざまな物件の現場に足を運び、着工(工事の開始)から竣工(建物の完成)にいたる各工程で、先輩や上司がどのようなこだわりを持って品質や工程、コストをチェックしているのかを学んでいった。大成有楽不動産が定める品質基準を工程ごとに確認するには幅広い専門知識が必要になるが、早い段階からこれらの習得を目指した。その結果、入社5年目にして設計会社や施工会社の経験豊富なプロからも一定以上の信頼を得て、「品質確保のスペシャリスト」としての役割を果たせるようになる。また、施工現場だけでなく、工事を実施するための図面の事前チェックから、販売資料の内容確認、引き渡し時の内覧会における顧客対応まで、社内のマンション事業部などと連携して幅広い業務に挑戦している。

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私のキャリアパス
ひたすら建築の専門知識を
インプット
入社後の1年ほどは、いかに専門知識をつけるかに意識を「全振り」し、インプットに集中していました。この時期にOJTの一環で、先輩や上司に同行して数多くの現場に足を運んでいます。いろいろな現場、いろいろな工程の業務の進め方を早くから学ぶことができたので、自分が担当する際の指標が得られ、早い段階で物件を担当することが可能になったと考えています。
また、現場では「レビュー」と呼ぶ協力会社との会議の場…当社独自の検査プロセス…があり、新人時代の私はこれに大きな衝撃を受けました。レビューでは、設計会社や施工会社の方々と一緒に現場を見ながら図面などを確認していきます。そこで建設部の先輩方は、品質について一切妥協することなく、時には延々と議論を交わしていました。その姿には当社ならではの「品質」に対する志が感じられ、今ではそれが自分自身の仕事に対する基本姿勢になっていると思います。
学んだことのアウトプットを開始
この頃から自分の担当物件を任され始めましたので、1年目に学んだ知識の的確なアウトプットを意識するようになりました。現場で接する施工会社の所長さんは、自分の親と同世代のベテランの方々も多く、コミュニケーションには気を使いました。特に私は、施工品質を確保するために必要な建築知識はもちろん、当社独自の仕様や施工上のルールの全てを、なるべく早く理解して伝えられるようになろうと努力しました。ベテランの方々に納得感を持って動いていただくには、何よりも技術的に対等なレベルで会話できなければならないと考えました。
法令に準拠して安心安全な建物をつくることは前提であり、当社ではプラスアルファで独自の品質基準を設けています。それら膨大なレギュレーションの多くは、建物を利用する方々が末永く快適に過ごしていただけるようにとの観点で設けられたものです。
一つずつ自信を得ながら成長を実感
自分よりはるかに年長の方々に、当社が求める品質とその仕様を正確に伝え、良い建物を建てるための工事を推進していく必要があります。現場で何か問題が発生したときには、その解決方法を自分でよく考えました。一つのマイルストーンを無事に通過できると、自分のなかで小さな自信が生まれます。こうした経験の繰り返しで、一つずつトライアンドエラーを重ね、自分の判断や意思決定で現場が動き出し、「建設工事が推進できている!」と感じる場面が次第に増えていきました。
専門知識が増え、施工現場での経験を積んでいくと、工程ごとに問題が起こりやすい部分などが経験的に分かってきます。このような注意すべきポイントを事前にある程度把握しておき、「過去の物件でこういうところが問題になったので注意してくださいね」と一言かけるだけで、問題の発生を未然に防げることを知りました。
良い建物には、
人々の想いが詰まっている
この仕事で最もやりがいを感じるのは、何といっても自分の担当する物件が竣工したときです。良い建物とは、設計会社や施工会社、社内の事業部のメンバーが知恵を出し合い、「ああでもない」「こうでもない」と議論を重ねた末に形になるものです。たくさんの関係者の想いやこだわりが凝縮されて詰まっているのです。
良い建物とは、住み心地や使いやすさ、品質の高さ、デザインの良さを全て高い水準で満たしているもの。それら全ての要素が備わっている建物が、社会的価値のある不動産アセットだといえます。私たちデベロッパーは、単に人目を引くデザインの建築物や、ランドマークになるような建物をつくろうとしているわけではありません。住宅であっても、オフィスビルであっても、ホテルや物流施設であっても、デザイン性だけを優先し過ぎると、デベロッパー事業としては成り立たなくなると考えています。
資格を取得し、
教える経験からも学ぶ
建築物の品質をチェックする業務に幅広く生かせる一級建築士の資格は、入社3年目に取得。自分の担当する物件が増え、業務における責任も増して多忙な時期でしたので、合格に向けて人生で一番勉強したかもしれません。ただ、学科試験の勉強をする上では、覚えるべき事柄の多くが日常の実務と重なってきます。机上で覚えていく情報を実務と紐づけてイメージすることで、知識として定着しやすくなるメリットがありました。このことは、一級建築士の資格を目指す建設部の後輩に、ぜひ伝えたいポイントになります。
また、OJT担当として若手を指導したり、建設部の後輩が担当する案件にサブ担当としてついたりする機会も増えました。建築に関する知識は「知っているか」「知らないか」で大きな差が出ると考えていますので、私はけっこう何でも教えるタイプのOJT担当だと思います。自分自身が明確に理解していないと教えられないので、知識のリフレッシュによる私自身の成長にもプラスの効果があると感じています。
大規模開発も視野に幅広い実力を養う
施工現場では、引き続き当社の基準を満たす建設工事の品質が確保できるよう、要所要所でのチェックを徹底していきたいと思います。また、これまで私は主にマンションの施工領域のスペシャリストとしてスキルを磨いてきましたが、将来的には、より設計に近い領域やマンション事業・ビル事業など、幅広い業務を経験してみたい意向があります。大成有楽不動産の社員として、これまで以上に広い視野で知見を深めながら、デベロッパー業務に取り組んでいきたいと思います。また、社内で先輩や後輩とよく話しているのですが、再開発やタワーなど大規模な開発プロジェクトにも携わり、社会的にインパクトのある仕事を通じて会社の知名度の向上に貢献できればと考えています。
メッセージ
よく考え、行動できる人に入社してもらいたいですね。デベロッパーの業務内容は多岐にわたり、社外の協力会社や社内の関連部門と継続的に連携することが求められます。日々の業務のなかで答えが一つではない状況に向き合って、多くの選択肢のパターンから最適解を導き出していく必要もあります。そもそも、取得した土地にマンションを建てるのか、ビルを建てるのかなどは、当初想定していた用途が正解であるとは限りません。土地の特性と潜在的な利用者のニーズをふまえ、どのようなアセットを開発するのがベストなのか、自分で考えて最適解を見つけ出そうとする姿勢が重要です。そして導き出した答えを社内に提案して賛同を得て、大成有楽不動産の最適解として形にしてください。個の裁量を活かしながら、会社にも地域社会にも貢献することが可能な、やりがいの大きな仕事だと思います。

